医者と子育てを両立するのは難しい?
育児との両立が大変
医者と言えば、例えば妊娠しているお母さんに対し、必要に応じて
- 「仕事は休んで家でゆっくりしなさい」
- 「とにかく安静にして」
という立場の人間です。
キャリアにも大きな影響を与える発言をする医者たちですが、医者のキャリアと子育ての両立は極めて大変だと言われています。
例えば労働基準法には「生後満1年に達しない生児を育てる女性は、1日2回各30分、その生児を育てるための時間を請求することができる」という規定があります。
就業開始時間を遅くしたり終了時間を早くしたりなどということが可能ですが、果たしてそれが、勤務医に適用されるのでしょうか。
基本的に医者はチーム医療を行っています。
緊急の手術が入ったりすれば呼び出されることもありますし、そんな中で遅れてきたり早く帰ったり、という選択肢はなかなか現実的ではありません。
たとえ数時間おきの母乳をあげたいと思ったとしても、例えば手術を抜け出して母乳をあげに行くという事はまず困難です。
中には外来中であっても手術中であっても母乳をあげに行くことを認めてくれる病院などもあるそうですが、「患者の命を預かっている」ということを自由に認めないところもあります。
確かに患者側からしてみれば「母乳をあげにいかなければいけないからあなたの手術中に執刀医が抜け出します」などと言われてしまうと、心穏やかではいられません。
しかし、これが医者、特に女医が今キャリアと子育てを両立しなければいけないときの現実です。
夜勤や緊急の手術がない病院への転勤
子育てをしながらキャリアを積みたいと思っている医者の中には、子育てのためにキャリアをあきらめるという選択肢を取る人もいます。
その一方で
- やはりキャリアはあきらめたくない、
- しかし子育てにもしっかりと向き合いたい、
などという意識を持つのであれば、大学病院などではなく民間病院で仕事をするということも可能です。
例えば、大学病院や総合病院で仕事をするとどうしても夜勤や緊急手術などに対応しなければならず、子育てに向き合う暇がないということがあります。
しかし、民間の病院であれば夜勤をする必要がないことも多いですし、緊急手術に対応しなければならないということもなくなります。
開業医が一緒に働ける医師を探している場合、そこで仕事を見つけるということも可能です。
多くの場合、開業医は入院施設などを整えていませんので、まず夜勤がありません。
また開院時間も例えば9時から12時、3時から6時、などときちんと分かれているため、残業しなければならないといった心配がなくなります。
そのため子供が保育園にいたとしてもきちんと迎えに行ける、ということになるのです。
もちろん大学病院などでキャリアを積んできた人にとっては、民間の病院に移るというのは大変かもしれません。
実際はお給料の面では良いのですが、キャリアという点では大学病院の方が様々な研究に携わることができますし、やりがいを感じている人も少なくないのです。
しかし子育てをしながらということを考えると大学病院はなかなか難しいのが現実です。
パートナーの助けを得る
医者として子育てをするのであれば、パートナー等の周りの人のサポートが必要になります。
例えば大学病院で勤務しながら赤ちゃんを育てる場合、授乳の時間にはパートナーが赤ちゃんを連れてきてくれたという経験を持つ人もいますし、夜勤の時などはパートナーが赤ちゃんの面倒見てくれたという経験を持つ人もいます。
ただし、やはり病院と言えば様々な病原菌があるところですし、赤ちゃんを連れてくるのに抵抗があるという人もいるでしょう。
ですから母乳ではなくて粉ミルクを合わせるなど、夫婦でしっかりと話し合わなければいけません。
また、緊急手術等が入って誰かに赤ちゃんを預けなければいけないのだという状態が起こった場合、1番頼りになるのはパートナーです。
もちろん女性が医者の場合はパートナーもそれなりに仕事をしている可能性が高く、時間に自由がきかないということもあるかもしれません。
また夫婦揃って医者だったりするとなおさら子育てをする暇がないかもしれません。
そのような時はやはり近所の人や友人、そして親戚や家族が頼りになります。
誰かに赤ちゃんを預けなければいけないということも出てくるでしょう。
だからこそ普段から親戚付き合いや近所付き合いをしっかりとしておかなければいけないのです。
医者という仕事をしている場合、周りの人の助けを借りずに子育てをするのは極めて困難であるということを覚えておかなければいけません。